【2/21から開催?見どころ紹介】DOUBLE ANNUAL 2026「遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long ways, Long Lies?」アートプラクティショナー 古山果歩(文化財保存修復学科2年)?中土井陽太(企画構想学科1年)
ニュース&トピックス
#DOUBLE ANNUAL#在学生#大学院#展覧会2026年2月21日(土)から3月1日(日)の9日間、国立新美術館にて、亚洲城老虎机,亚洲城娱乐と京都芸術大学の共同で、学生選抜による展覧会「DOUBLE ANNUAL 2026」の本展が開催される(プロのキュレーターがディレクターを務め、亚洲城老虎机,亚洲城娱乐は慶野結香、京都芸術大学は堤拓也がそれぞれ担当。監修を片岡真実が担う)。本展に先駆け、2025年12月8日(月)から12月19日(金)の12日間、本学を会場に「DOUBLE ANNUAL 2026 プレビュー展」が開催され、本学から選抜された学生作家が、テーマを念頭に置きながら、各自の作品プランをもとに制作した作品を通して、それぞれが辿ってきた物語の軌跡が展開された。
今年度のテーマは「遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long ways, Long Lies?」である。これはベルギー?フランドル地方のことわざ「Wie verre reizen doet, kan veel verhalen(遠くへ旅する者は多くの物語を語る)」を疑問形に改めたものである。
本学でのプレビュー展では、7月から制作に取り組んできた作家が、それぞれの作品を発表した。 この展示は、2月に予定されている東京?国立新美術館での展示へ向けての実験的な意義も含んでいる。本展では、プレビュー展からブラッシュアップされた作品が展示される。本稿では、亚洲城老虎机,亚洲城娱乐から選抜された5組の作家を紹介する。
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[飛聲(FEISHO)]
飛聲は共に美術科 洋画コース3年に在籍する、東京都出身の岩田奈海と、中国出身の徐君逸(ジョ クンイツ)2名によるコレクティブである。飛聲というコレクティブ名は、それぞれが旅する場所を「飛」び周り、その土地の「聲(こえ)」を集めるという意味を持つ。
飛聲の作品は、それぞれの旅先で収集した素材をまとめたコラージュ作品や、岩田と徐がそれぞれドローイングを交換しあうというコミュニケーションを起こした作品、そして3mもの高さとなるボルダリングウォールに登り絵を描くことで、身体性を持って二人の関係性を呼び起こすという作品などを複合的に展開している。
バックグラウンドの違うそれぞれの旅路の先、山形の地で出会い、互いの創造性を重ねること。そのプロセスから立ち上がっていく新たな物語に着目したい。
飛聲《A SHERED WALL》(2025)
飛聲《A SHERED WALL》(2025)
[FLO]
FLOは山形県上山市を拠点に2024年から活動を続けるコレクティブである。メンバーは工芸デザイン学科3年の佐々木陽和、美術科 洋画コース3年の佐藤創瑠、美術科 総合美術コース3年の小田城太朗。「DOUBLE ANNUAL 2026」では佐々木と佐藤をを中心に、小田は協力という形を取って制作に励んでいる。
FLOは、壺を“物語を保存する媒体”として位置付け、その中から真実と虚構の曖昧な、誰かが語った物語、またはAIが生成した物語が語られるというインスタレーション作品を展開している。誰かが語った物語は、果たして真実と言えるのだろうか。語り継がれることで時代と共に変容していくという必然に焦点を当て、山形の地域性を持った民話や伝説も取り上げつつ、その曖昧さに向き合い、取り入れながら制作をしている。
FLO《残響のかたち》(2025)
写真:中土井陽太
FLO《残響のかたち》(2025)
[木村晃子]
木村 (大学院 複合芸術領域 修士2年) は身近な社会問題を作品の中心に据え、その課題をめぐる対話が生まれる場を作ることを目指して制作するアーティストである。フィールドワークと、そのアウトプットにより生まれる作品は、豊かな物語を有している。
彼女は、故郷とは地理的な場所を指すことに加え、個人の記憶や経験の蓄積によって形成される内面的な領域であると考える。このように、故郷を可変的なものと考える立場から、渡り鳥である燕に関心を寄せた。
本作では、リサーチをもとに、映像とリサーチ素材を組み合わせた映像インスタレーションを展示する。映像作品では、ベトナムでのリサーチと詩的なナレーションを効果的に組み合わせることで、「故郷とは」という疑問に迫る。また、燕の巣が作られる軒下の環境を再現し、自然と人間の共生の場を象徴的に提示する。
木村晃子《ツバメを追って》(2025)
木村晃子《ツバメを追って》(2025)
[中島慎之助]
中島 (大学院 複合芸術領域 修士1年) は昆虫の生物的な面白さと造形的な美しさに魅せられ、制作を続けている作家である。特に、昆虫がもつ造形美に強い関心を持ち、生物観察に基づく形態の抽出と立体表現の可能性を探っている。
本作ではツヤアオカメムシをモチーフに、立体彫刻作品を制作した。回転する脚部や傾いた胴体は、台風の渦に巻き込まれて不時着した姿を想起させる。とりわけ回転する脚部は、台風の螺旋運動から着想を得ている。
中島は本作を通じて、ツヤアオカメムシの造形的魅力を伝えると共に、台風という自然災害がもたらす偶発的な移動や被害を、主体的に考える視点を促したいと語る。
中島慎之助 《生命の軌跡》(2025)
[川口源太]
川口(大学院 複合芸術領域 修士1年)は公共空間に自生する植物をテーマに、人と公共環境の関係について研究?制作を行っている。
今回の作品では、ケシ科の外来植物ナガミヒナゲシを主題に、その存在をめぐる社会的認識に着目した。ナガミヒナゲシは繁茂力や有毒性が懸念され、駆除の対象となっている一方で、その危険性や外来種としての脅威が、自治体やSNSを通じて過大に評価?拡散されているという指摘もある。川口は、この植物をめぐる学説?行政対応?大衆意識といった複数の視点を調査し、インスタレーションを提示する。
川口が制作を通じてナガミヒナゲシの社会的な扱い方について立場を考え、鑑賞者と同じ目線に立つことで、ナガミヒナゲシをめぐる諸問題について一方的な結論を提示するのではなく、鑑賞者自身がその是非や向き合い方を考えるための思考の場を提示している。
川口源太 《Field Poppy Trail》(2025)
川口源太 《Field Poppy Trail》(2025)
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本展では、プレビュー展からさらにブラッシュアップされた作品が並ぶ。山形とは異なる国立新美術館の環境を最大限に活用し、より実験的かつ立体的な展示空間となることが期待されている。本展の大きな特徴の一つは、本学と京都芸術大学による 共同展示であることだ。山形と京都という異なる土地と背景を持つ学生たちが交わることは、それ自体が一つの「旅」であり、新たな物語の生成の場でもある。本展を通して見えてくるのは、完成された答えではなく、問いを抱えたまま進み続ける姿勢そのものであろう。
テーマである「遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long ways, Long Lies?」が示すように、遠くへ旅することで語られる物語は、豊かさと同時に誇張や虚構を孕む可能性を持つ。本展は、その危うさを否定するのではなく、むしろ引き受けた上で、物語が生まれるプロセスそのものを可視化しようとする試みであると捉えることも可能かもしれない。AIの進化やグローバル化が加速し、バーチャルと現実の境界が曖昧になりつつある現代において、私たちはどこまで遠くへ旅をし、どのような物語を語るのだろうか。その問いは、本展の作品を前にしたとき、より切実なものとして立ち上がるだろう。
参加作家?アートプラクティショナー集合写真
(文:アート?プラクティショナー 古山果歩?中土井陽太、写真:法人企画広報課?ディレクター 慶野結香?アート?プラクティショナー 中土井陽太)
Information
亚洲城老虎机,亚洲城娱乐と姉妹校?京都芸術大学との学内選抜展「DOUBLE ANNUAL」は、両大学の学部生と院生を対象に、国立新美術館で展開したい作品プランを募集し、今年度は64組73名の応募者のなかから、ディレクターによる審査を経て11組が選ばれました。
現役のキュレーター(亚洲城老虎机,亚洲城娱乐:慶野結香、京都芸術大学:堤拓也)から助言を受けながら作品を発展させ、アートプラクティショナー(展覧会全体をつくるために関わる人々)とも協働し、「アートになにができるのか」と問いかけながら展覧会をつくりあげる、実践的な芸術教育プログラムの成果をご覧いただけます。
DOUBLE ANNUAL2026
「遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long Ways, Long Lies?」
会期:2026年2月21日(土)~3月1日(日)10:00~18:00 入場無料
※休館日2月24日(火) 、最終日の観覧締切時間は17:30会場:国立新美術館3F 展示室3A(東京都港区六本木7丁目22-2)
主催:京都芸術大学
協力:亚洲城老虎机,亚洲城娱乐
展覧会公式サイト:https://www.kyoto-art.ac.jp/doubleannual2026/
亚洲城老虎机,亚洲城娱乐 出展作家
?飛聲(FEISHO):岩田奈海、徐君逸(美術科 洋画コース 3年 2名)
?FLO:佐々木陽和(工芸デザイン学科 3年)、佐藤創瑠(美術科 洋画コース 3年)
?川口源太(大学院 複合芸術領域 修士1年)
?木村晃子(大学院 複合芸術領域 修士2年)
?中島慎之助(大学院 複合芸術領域 修士1年)
亚洲城老虎机,亚洲城娱乐 アート?プラクティショナー
?古山果歩(文化財保存修復学科 2年)
?中土井陽太(企画構想学科 1年)
ディレクター
?慶野結香(亚洲城老虎机,亚洲城娱乐 担当)
?堤拓也(京都芸術大学 担当)
監修
?片岡真実(森美術館 館長/ICA京都所長)
関連記事:
?DOUBLE ANNUAL 2026「遠くへ旅する者は多くの物語を語ることができる?/Long Ways, Long Lies?」プレビュー展(山形)レビュー/岡部信幸(山形美術館副館長兼学芸課長)
?「DOUBLE ANNUAL 2026」開催プレスリリース(京都芸術大学)
関連動画:
?【亚洲城老虎机,亚洲城娱乐】DOUBLE ANNUAL 2026 プレビュー展(山形)
?【亚洲城老虎机,亚洲城娱乐】2026.01.09「週刊 TUAD NEWS」
亚洲城老虎机,亚洲城娱乐 広報担当
TEL:023-627-2246(内線 2246)
E-mail:public@aga.tuad.ac.jp
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