今回の記事では、「美術科グラフィックアーツコース」「美術科日本画コース」「美術科洋画コース」卒業生へのインタビューを紹介します。現在の活動や、大切にされていること、大学時代の学びが活かされていることなどを伺いました。
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現 美術科グラフィックアーツコース卒業/大学院芸術文化専攻修了大森弘之さん
――現在の活動について教えてください
シフトプラス株式会社で自治体サポートスタッフをしながら、個人で版画の制作活動をしています。個展の開催、公募展?団体展への出品、一般の方向けワークショップの開催などを継続的に行っています。
フルタイム勤務しているので、仕事が終わった帰宅後と、土日祝日に時間を作って版画制作を行なっています。個展開催時には、休日に画廊に在廊してお客様?画廊スタッフの方と交流していますし、ワークショップなどの開催日も土日に設定しています。


――作家活動の中で印象に残っていることはありますか?
初個展の開催が印象に残っています。卒業後、東京?銀座にある画廊で初個展を開催したいと考えていましたが、当時はまだその画廊との関係性が薄く、画廊に私の作品を認識してもらえていなかったため、すぐに個展を開催してもらえる状態ではありませんでした。
そこで、休日の空き時間を使ってその画廊に頻繁に足を運び、オーナーの方に覚えてもらいように働きかけてみたんです。次第に画廊でのグループ展に誘ってもらえるようになり、何度か参加させていただいているうちに個展のお話をいただくことができたんです。
大学時代に教授から、「継続して描き続けること」「認知してもらうために発表し続ける(=マーキングをする)こと」が大事だと教わりましたが、まさにそれを実感した瞬間でした。当たり前のことですが、制作するには時間が必要ですし、画材費もかかります。描き続けるには、覚悟が必要ですが、続けていれば誰かに認めてもらえるチャンスが必ず訪れるので、それまで忍耐強く続けることが大切だと思っています。

――大学時代の学びが現在も活かされているのですね
そうですね。実は私が入学したのは美術科洋画コースだったんですが、演習のカリキュラムで体験した版画の世界に興味が湧き、3年次から版画コースに転科したんです。私がこのような動きができたのも、広範囲に学びを提供してくれる大学のカリキュラムと、教授の方々の柔軟な教育方針があったからです。芸工大にはたくさんの選択肢が広がっていますし、その間口は広いと思うので、少しでも興味がある方はぜひ一度オープンキャンパスに足を運んでみることをお勧めします。
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美術科日本画コース卒業榊原愛美さん
――現在のお仕事について教えてください
船橋市教育委員会生涯学習部文化課の学芸員として勤務しています。勤務先の船橋市には市立の美術館がないので、普段の勤務場所は市役所内です。

――具体的にはどういった業務をされているのでしょうか?
市民の方々が市ゆかりの作品に触れられる機会やアーティストと交流できる場を創ることが私の仕事です。私は、美術教育普及の担当なので、アーティストの方を招いて市内の小中学校での授業を行ったり、公民館で展覧会を行う「アーティスト?イン?スクール」の企画?実施をしています。市内での開催場所探しから始まり、アーティストへの講師依頼や学校や公民館との調整、授業内容や展示の構成等を考えるのが主な業務です。この事業の他には、通年で日本画のワークショップや展覧会の見学会などの業務を担当しています。

――お仕事される上でどんなことを大切にされていますか?
美術館が無いと活動を市民の方々に認識してもらいにくいのですが、市内の博物館や公民館で美術のイベントを行うと、アートに触れられることを喜んでくれる市民の方々に会うことができます。これからも市民の方の声に耳を傾けて、楽しみにしてくれている方々の期待に応えられるようにしていきたいです。
また、アートをただ楽しむだけはなく、アートを通じて自分たちの住む地域のことを知って貰い、親しみを持ってもらう仕組みをつくることも教育普及で大事なことだと考えています。

――榊原さんにとって、芸工大で過ごした4年間はどんな時間だったのでしょうか
私は千葉に住んでいたので、芸工大への入学は少し勇気のいる選択肢でした。しかし、山形に移り住み、地元では見られないような美しい景色や自然に毎日触れながら制作した時間は、今でも大きな財産となっています。
それに、日本画コース以外での経験も役に立っていると思う瞬間がたくさんあります。例えば、歴史遺産学科の方たちと一緒に宿場町をフィールドワークをして、その町で展覧会を行う活動に参加していました。当時は好奇心だけで参加していたことですが、現在の仕事でもアートと考古、アートと他分野を横断したイベントを実施することがあるので、今になって実を結んでいると思えることがたくさんあります。
山形は学外でも芸工大生を必要としてくれている方々がたくさんいるので、学内での制作や勉強に留まらず、地域との繋がりを持つことができます。可能性を広げたいという方には、芸工大での4年間はとても良い環境だと思います。
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美術科洋画コース卒業/大学院芸術文化専攻修了谷村メイチンロマーナさん
――現在の活動について教えてください
テレビ美術制作をはじめ、CM?映画?テーマパークの造形物や、デザイナー?作家の美術作品を手掛けている、有限会社ケンシアートのクラフトチームに務めながら、作家活動をしています。

今まで発泡ウレタンを使った作品を制作していましたが、素材を含め他の表現方法を模索中です。原点に戻って油絵も制作中しています。
――大学生活で印象に残っていることはありますか?
在学中は、大学内のアトリエが広かったため色んな素材にチャレンジできました。あと、洋画の教授たちはフレンドリーで相談しやすいです。


――制作で大切にされていることを教えてください
子供も大人も楽しくなれる作品を発表していきたいと思っています。キャラクターマトリクスというアートの新しいカテゴリーとして、東京を初め、シンガポールで展示をしてきました。全部企画展です!


――受験生へメッセージやアドバイスをお願いします。
考えるより手を動かせ!
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今回お話を伺った皆さんは、大学時代の専門的な学びを活かしながらも、柔軟な姿勢で取り組まれている様子がとても印象的でした。制作を続けること、分野を横断して学ぶこと、地域や社会と関わりながら表現を広げていくこと——その一つひとつが、現在の活動につながっています。芸工大での学びは、決まった進路に導くものではなく、自分なりの道を見つけ、歩み続けるための土台となっていることが、三者三様の言葉から伝わってきました。
(取材:入試課)
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TEL:023-627-2246(内線 2246)
E-mail:public@aga.tuad.ac.jp
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